子どもの歯はなぜむし歯になりやすい?
乳歯や生えたての永久歯は、エナメル質が薄く柔らかいため、むし歯になりやすく進行も早い特徴があります。
また、乳幼児期は歯みがきの精度や食生活の管理が難しく、保護者のケアや定期検診が極めて重要です。
年齢別にみるむし歯リスクと予防対策
【0〜2歳】乳歯が生え始めたらスタート
- 授乳後・離乳食後の口腔ケア開始
- 仕上げ磨きの習慣化
- 哺乳瓶の使いすぎに注意
【3〜5歳】むし歯の好発年齢
- おやつ・ジュースの頻度管理
- フッ素塗布(3〜4ヶ月に1回)
- 親子での歯みがき+チェック
【6〜12歳】生え変わり期と6歳臼歯の注意
- シーラント処置の検討
- 歯列の管理(早期不正咬合の予防)
- 自立と親のチェックのバランス
フッ素塗布の効果と安全性
高濃度のフッ化物塗布は、歯質を強化し、酸に対する抵抗力を高める働きがあります。
日本小児歯科学会も推奨しており、定期的なフッ素塗布によりむし歯の予防率が40〜60%改善するという研究も報告されています。
引用元:Marinho VC et al., Cochrane Database Syst Rev. 2013.
シーラントによる奥歯のむし歯予防
生えたての6歳臼歯などは咬合面(かむ面)の溝が深く、歯ブラシが届きにくいため、シーラント処置で溝をレジンで封鎖することで、むし歯リスクを大幅に減らすことができます。
保険適用で処置可能な場合もありますので、お気軽にご相談ください。
毎日の仕上げ磨きが最大の予防
小学生までは、自分では十分にみがけていないことが多く、保護者による仕上げ磨きが必要です。
特に寝る前の磨き残しは、夜間に細菌が増殖しやすいため、丁寧なケアが求められます。
- 6歳までは保護者が完全仕上げ磨きを
- 10歳ごろまでは部分的にチェックを
- 子ども用と保護者用の歯ブラシを分けて使う
小児のむし歯は生活習慣病の入り口
近年の研究では、小児期のむし歯は食習慣・嗜好品・睡眠リズム・ストレスなどの乱れと深く関係し、将来的な生活習慣病のリスクとも関連しています。
幼少期からの健全な食生活・口腔衛生習慣・定期通院が、お子様の「全身の健康を守る」第一歩となります。
定期検診のタイミングと頻度
当院では、3〜4ヶ月に1回の定期検診をおすすめしています。
子どもの口の中は成長とともにどんどん変化するため、成長に応じたプロケアとチェックが欠かせません。
定期検診では以下のような内容を行います:
- むし歯チェック
- 歯並び・かみ合わせの確認
- 歯みがき指導
- フッ素塗布・シーラント適応判断
よくあるご質問
お子さまの未来の健康を守る「親子の予防歯科」
むし歯になってからの治療では、時間も費用も負担も大きくなります。
大切なのは「ならないように予防する」こと。そのためには、親子での協力と定期通院の習慣化が必要不可欠です。
当院では、怖がらせない優しい対応と、成長に応じた予防ケアで、お子さまの健康な歯をサポートします。
小さな一歩が、一生の宝になります。