矯正治療における精密診断の重要性

なぜ「精密な事前診断」が必要なのか

矯正治療は「歯を並べるだけ」の処置ではありません。
顔貌との調和・咬み合わせのバランス・将来的な安定性までを見据えた上で行う必要があります。
そのためには、歯の角度や位置・骨格的なズレ・顎の成長方向などを正確に分析する診断が欠かせません。

診断の質が治療結果に直結する

診断が甘いまま治療に入ってしまうと、仕上がりが不安定になったり、後戻りのリスクが高まる可能性があります。
当院では「診断こそ矯正治療の成否を分ける要」と考え、高度な撮影・分析・シミュレーション技術を駆使して診断を行っています。

セファログラム(頭部X線規格写真)とは

セファログラムでわかること

セファログラム(Cephalogram)は、頭部を正確な角度で撮影した側方X線写真です。顔面・顎・歯・気道の関係を骨格レベルで把握することができます。

骨格・顎の成長予測に活用

特に小児矯正では、顎の成長予測や上下顎のバランスを正しく判断することが不可欠です。
セファログラムにより、今後どの方向に成長するか・どの程度骨格的補正が必要かを評価できます。

分析ソフトによる数値化・比較

セファロ画像は、分析ソフトを用いて複数の角度・距離を数値化します。
例えば以下のような項目を計測します:

  • ANB角(上下顎の前後的な位置関係)
  • SNA・SNB角(上顎・下顎の頭蓋に対する位置)
  • FMA角(下顎平面の傾き)

これにより、患者様の骨格タイプ(I級・II級・III級)や咬合傾向を正確に分類できます。

3Dシミュレーションによる可視化

3Dモデルによる治療の「見える化」

当院では、iTeroやその他3Dスキャナを用いて、患者様の口腔内を立体的に再現します。
この3Dモデルにより、「今の歯並び」「これからどう動いていくか」目で見てわかるようになります。

治療前後の歯列を比較できる

3Dシミュレーションでは、最終的な仕上がりイメージを事前に提示できます。これは患者様にとって治療への安心感とモチベーションの向上につながります。
「前歯の重なりがどうなるか」「口元の突出感は改善するか」なども具体的に確認できます。

マウスピース矯正との連携(インビザライン等)

インビザラインなどのマウスピース矯正では、この3Dデータをもとに治療計画(ClinCheck)を設計します。
ただし当院では、AI任せではなく必ず医師が計画を再設計し、精密で予測性の高い治療を提供しています。

当院の精密診断システム

CT・セファロ・iTeroによるトリプルスキャン

当院では、歯科用CT、セファログラム、口腔内スキャナー(iTero)の3つを活用した診断を標準としています。
これにより、

  • 歯の角度や根の位置(CT)
  • 骨格的なずれや成長方向(セファロ)
  • 歯列や咬み合わせの状態(iTero)

を網羅的に評価し、一人ひとりに最適な治療計画を立案します。

AIだけに頼らず、医師がすべて再設計

多くの矯正クリニックではAIが自動設計した計画をそのまま採用していますが、当院では必ず歯科医師が再評価・修正を行います。
「AIだけでは見抜けない微細な調整」が、治療の精度と期間、仕上がりに大きな差を生むためです。

小児〜成人まで幅広い適応

セファログラムや3D診断は、成長期の子どもから成人まで全世代で活用できます。
小児期では「いつから矯正を始めるべきか」、成人では「外科手術が必要か」など、治療方針の決定に欠かせない情報を提供します。

よくあるご質問(FAQ)

Q. セファログラムの撮影に痛みはありますか?
A. いいえ。レントゲンと同様に無痛で短時間の撮影が可能です。放射線量もごく少量で、妊娠中以外は安全に撮影できます。
Q. 3Dシミュレーションは全員に必要ですか?
A. はい。当院では全ての矯正希望者に3Dスキャンを行い、治療の可視化と精度向上に役立てています。
マウスピース矯正以外(ワイヤー矯正)でも使用します。
Q. セファログラムの分析結果はどのように説明されますか?
A. 専用ソフトを用いて角度・距離・分類などを図示し、画面で共有しながらご説明します。
難解な用語も丁寧にかみ砕いてご案内いたします。

正確な診断が、安全で理想的な矯正治療を支える

セファログラムと3Dシミュレーションは、矯正治療の設計図・羅針盤ともいえる存在です。
「歯が並べばOK」ではなく、長期的に安定し、咬合・顔貌も美しく整った状態を目指すためには、精密な診断が絶対に不可欠です。

当院では、科学的根拠に基づいた診断と、ドクターによる綿密な計画立案により、安心・安全で確実性の高い矯正治療を提供しております。
まずはお気軽にご相談ください。

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