治療の目的は、「治すこと」ではなく「守ること」
歯科治療を受けた直後は、多くの方が「もう二度とむし歯になりたくない」「今度こそしっかり歯を守りたい」と思われます。しかし、治療後の適切な予防管理がなされないまま時間が経つと、再び同じ場所がむし歯になったり、詰め物の下が再感染したり、歯周病が再発したりするケースが少なくありません。
実際、日本における歯科治療の多くが“再治療”です。再治療の繰り返しによって、歯は徐々に削られ、神経を失い、やがて抜歯に至る――。これは、歯科医療の課題であり、私たちが本気で向き合うべきテーマです。
だからこそ当院では、「削って、詰めて、終わり」ではなく、“再発させない”ための予防管理に力を入れた診療体制を整えています。
再発のメカニズムを知る
むし歯や歯周病が再発するのは、単なる「不注意」や「磨き残し」だけが原因ではありません。以下のような複合的な要因が関係しています:
- 不適合な詰め物・被せ物による段差や隙間
- 根管治療の不備による再感染
- 噛み合わせの不調和による過剰な負担
- 歯列不正や補綴設計の不備による清掃不良
- 食習慣・唾液量・口腔内フローラなどのリスク因子
- 定期的なメンテナンスを受けていないこと
これらを「見て見ぬふり」したまま治療だけ繰り返していては、一時的に痛みが取れても、長期的には必ず再発します。
精密治療 + 予防メンテナンス = 再発リスク最小化
当院では、「再発しない口腔環境をつくる」ために、以下の2本柱で診療に取り組んでいます:
1. 再治療の必要がないような精密な治療
- マイクロスコープや拡大鏡を使用した丁寧な根管治療
- 高精度な型取りによる補綴物の適合性向上
- 歯周基本治療の徹底と、歯ぐきの環境改善
- 噛み合わせ・歯列・咀嚼習癖まで考慮したトータル設計
2. 治療後の定期的なメンテナンス・予防処置
- PMTC(プロによる徹底クリーニング)
- 歯周ポケットや出血のチェック
- むし歯リスクの再評価と生活習慣へのアドバイス
- 必要に応じてフッ素塗布やシーラント
- 保定装置・補綴物・インプラントの機能チェック
これらを体系的に管理することで、再治療のリスクを最小限に抑えることができます。
予防は「意識」で変わる
歯科医療の本質は、「痛くなってから行く場所」ではなく、「悪くならないように通う場所」です。
そして予防は、単にクリーニングを受けることだけではなく、患者様自身が“自分の歯を守る”という意識を持つことから始まります。
当院では、患者様が主体的に予防に取り組めるように、以下の取り組みも行っています:
- お口の状態やリスクを見える化する説明(写真・図・チャート)
- セルフケアの改善提案(磨き方、フロスの使い方など)
- 管理型の定期検診プログラム(3〜6ヶ月ごとの再評価)
- 小児期からの予防習慣形成と親子予防指導
「一生涯の歯の健康」を見据えたサポート体制
私たちの目標は、患者様が一生自分の歯で食べ、話し、笑えることです。
そのために、「削ること」や「抜くこと」よりも、「残すこと」「守ること」に最大限の時間と技術を投じています。
再発のない治療、再治療を防ぐ予防、そして一人ひとりの生活に寄り添ったサポート――
歯科医院として、本当に価値のある医療をお届けするために、私たちは予防にこだわります。
最後に
「何度も同じ歯を治療している」「むし歯ができやすい」「歯周病がなかなかよくならない」
そのようなお悩みがある方こそ、“予防中心の歯科医療”へシフトする時期かもしれません。
まずは現状を正しく知ることから始めてみませんか?
当院では、再発させないための「本質的な歯科医療」を提供しています。
お気軽にご相談ください。