自由診療とは、そして正しい理解の必要性

自由診療とは、健康保険が適用されない診療のことを指し、患者様が費用を全額自己負担する代わりに、先新技術や高品質な素材、専門性の高い治療を選択できる制度です。
しかし、自由診療には「優れた治療が受けられる」という利点がある一方で、一定のリスクや副作用も存在します。
本ページでは、各治療ごとに考えられる副作用や限界を正確にお伝えし、安心して治療に臨んでいただくための正しい知識をご提供します。

一般的に考えられるリスクと副作用

1. 審美歯科治療(セラミック・ダイレクトボンディング)

・治療後の神経への刺激により、知覚過敏や歯髄壊死が起こる可能性があります。
・セラミックは硬く、対合歯をすり減らすリスクがあります。
・接着不良や破折により、再治療が必要になる場合があります。

2. ホワイトニング(オフィス/ホーム)

・一時的な知覚過敏が生じることがあります。
・ホワイトニング後の色の後戻り(リバウンド)には個人差があります。
・歯肉や粘膜への刺激や痛みを感じることもあります。

3. インプラント治療

・手術に伴う出血、腫れ、神経損傷、感染症などのリスクがあります。
・インプラント体の周囲にインプラント周囲炎が起こると、脱落することもあります。
治癒不全や骨の吸収により予定通りの位置に埋入できない場合があります。

4. 小児矯正(マイオブレース・インビザラインファースト)

・成長に伴う変化により、治療計画の変更が必要になることがあります。
・装着状況によっては、効果が限定的になることがあります。
・生活習慣の改善が不十分だと、後戻りや治療効果の低下が生じます。

5. 成人矯正(インビザライン・ワイヤー矯正)

・矯正力により歯根吸収歯肉退縮が起こることがあります。
・装置の摩擦により口内炎や違和感が出ることがあります。
・歯の動きに時間がかかり、治療期間が延長する場合もあります。

6. 歯髄保存療法(MTA覆髄・生活歯髄温存)

・術後に歯髄炎を再発することがあり、抜髄が必要になる可能性もあります。
・材料との適合状態によって、封鎖不良による再感染が起きることがあります。

7. 歯周再生療法(エムドゲイン・リグロス)

・再生効果には個人差が大きく、全ての症例に有効とは限りません。
・術後の痛み、腫れ、出血などが起こる場合があります。
・生活習慣やブラッシング不良により、再発・効果不良になる可能性があります。

8. 精密義歯(ノンクラスプデンチャー等)

・材料により変色・破損の可能性があります。
・装着感に慣れるまで時間がかかり、発音障害や違和感があることもあります。
・強く噛むと、支台歯に負担がかかることがあります。

9. 自費のナイトガード・マウスピース装置

・長時間の使用により顎関節の違和感を訴える方もいます。
・清掃不足で細菌繁殖や臭いの原因になることがあります。

自由診療だからこそ必要なリスク説明と同意

治療前カウンセリングとインフォームドコンセントの重要性

自由診療では、効果が高い分リスクも明確にお伝えすることが求められます。当院では、治療前にすべての選択肢とそれぞれのメリット・デメリットを明確に説明し、ご理解・ご納得いただいた上で治療に進みます。

自由診療と保険診療のリスク認識の違い

保険診療は、一定の基準に沿って行う「汎用的で安定的な治療」が主流です。一方、自由診療は最新技術・素材を用いた個別性の高い治療であるため、リスクも高度かつ専門的です。だからこそ、科学的根拠に基づいた正確な説明と合意形成が不可欠です。

当院のリスクマネジメントの取り組み

事前説明・資料提供・文書同意

・治療開始前には、写真や模型・動画・パンフレットなどを用いて、視覚的にも理解しやすく説明します。
・同意書には、治療内容・起こりうる副作用・治療後の管理方法を明記しています。

治療経過の見える化とフォロー体制

治療前・中・後の画像記録を残し、経過の透明性を確保。
・不安な点がある場合は、再診・追加説明も随時承ります。

万が一のトラブル対応・保証制度

・自費治療においては、破損や不具合があった場合の再製作・保証制度を設けています。
・保証内容や期間は、治療内容ごとに異なるため、事前に明示したうえでご案内します。

リスクを正しく知り、納得して選ぶ自由診療へ

自由診療は、保険診療ではできない高精度な治療や審美的な仕上がりを実現する反面、専門的な判断と患者様の理解が必要不可欠です。当院では、すべての自由診療についてリスクを正しくお伝えし、納得いただいたうえで治療を進めることを大切にしています。

ご不安なことがあれば、どんな小さなことでも構いません。
ぜひお気軽にご相談ください。