医科歯科連携や大学病院との連携
全身の健康を見据えた、より安全・確実な歯科医療のために
歯科だけでは完結しない医療がある
現代の歯科医療は、「お口の中だけを診る」時代ではありません。
糖尿病、心疾患、脳血管疾患、骨粗鬆症、がん治療中の方など、全身疾患との関係性が深い患者様にとって、歯科治療が身体全体に及ぼす影響は決して小さくありません。
また、高血圧や抗血栓薬の服用、免疫抑制剤使用中、がん治療中の方などは、歯科治療時の出血や感染、投薬の管理に全身管理の視点が必要になります。
こうした背景から、当院では医科との連携を重視し、必要に応じてかかりつけ医や専門医と情報を共有しながら、安全性の高い歯科医療を提供しています。
医科との具体的な連携例
- 糖尿病患者様の歯周病治療における内科との情報共有
- 抗血栓薬(ワーファリン・バイアスピリン等)服用中の抜歯計画の相談
- 骨粗鬆症治療中(ビスホスホネート製剤等)患者様のインプラント適応確認
- 心疾患・腎疾患のある患者様の治療前のリスク評価
- がん治療中・治療後の口腔ケア指導と支持療法の一環としての対応
- 摂食嚥下障害のある方への栄養指導やリハビリとの連携
- 認知症の進行状況を踏まえた歯科治療計画の調整
患者様の全身状態に応じて、主治医や医療機関と連携を取りながら、安心・安全に治療が受けられる体制を整えています。
大学病院・高次医療機関との連携
当院では、難症例や高度な検査・外科処置が必要な場合、あるいは口腔がんや重度顎関節症など、専門性の高い診断や治療が必要と判断されたケースでは、大学病院や地域の中核病院と連携を図ります。
具体的には
- 口腔外科領域(嚢胞・腫瘍・顎関節症など)での紹介受診
- 全身麻酔下での抜歯や外科処置の依頼
- 生検・病理検査のための連携(口腔粘膜病変など)
- 小児の全身管理下での治療が必要な場合の紹介
- インプラントなどでのCT解析と専門施設との連携診断
これにより、地域の歯科医院と高次医療機関の役割を明確にし、患者様に最も適した医療を提供するネットワークを構築しています。
「一人の患者様をチームで診る」姿勢
歯科医療は、口の中だけを診ていては成り立たない時代です。
私たちは、医科・歯科の垣根を越えて、一人の患者様を「一つのチーム」で診るという考え方を大切にしています。
そのために、他科主治医への診療情報提供、診療内容のフィードバック、紹介状の作成、逆紹介など、医療機関間の正確で円滑な情報共有を常に意識しています。
安全な歯科医療のために、連携という選択を
「安心して治療を受けられる環境」とは、院内設備だけで成り立つものではありません。
必要に応じて他の医療機関と協力しながら、一人ひとりにとって最善の方法を選択できる柔軟性が、現代歯科医療には求められています。
当院では、患者様の健康状態や治療内容に応じて、医科・大学病院との連携を積極的に行い、安全かつ質の高い歯科医療の実現に努めています。