歯並びの乱れは「成長期」に始まります
子どもの歯並びや噛み合わせは、日々の癖や成長バランスによって大きく左右されます。
乳歯列から永久歯列に移行するこの時期に、小さな異常を早期に発見・対処することで、将来的な矯正治療の負担や費用を大きく減らすことができます。
当院では、ご家庭でできる「かんたん歯並びセルフチェック」をご案内し、異常の早期発見をサポートしています。
お子さまの「歯並びセルフチェック」12項目
次のチェックリストで当てはまる項目があれば、一度ご相談ください。
チェック項目 | 該当の可能性がある症状 |
---|---|
上下の前歯の中心がズレている | 歯列の非対称、顎のゆがみ |
口を閉じたとき前歯が開いている | 開咬、舌突出癖 |
下の前歯が上の前歯より前に出ている | 反対咬合(受け口) |
上の前歯が大きく前に突き出ている | 上顎前突(出っ歯) |
奥歯でしっかり噛めていない | 交叉咬合、顎のズレ |
乳歯の隙間が全くない | 将来の永久歯のスペース不足 |
歯が重なり合って生えている | 叢生(でこぼこ歯) |
歯が内側・外側に飛び出している | 歯列弓の乱れ、歯の捻転 |
よく口が開いている・口呼吸している | 口腔習癖・開咬・咽頭の問題 |
指しゃぶりや舌を前に出す癖がある | 開咬や舌癖性の不正咬合 |
顎が片方だけにズレている | 顎関節の偏位・成長左右差 |
歯ぎしり・食いしばりが多い | かみ合わせの不調・顎の緊張 |
2〜3項目以上該当する場合は、専門的な歯並びチェックや矯正相談をおすすめします。
代表的な子どもの不正咬合のタイプ
- 叢生(そうせい):歯が重なり合う「でこぼこ」した歯並び。
- 上顎前突:前歯が突出している。いわゆる「出っ歯」と呼ばれる状態。
- 反対咬合:下の前歯が上の前歯より前にある(受け口)。
- 開咬:奥歯が咬んでも前歯が閉じない。舌癖などが原因。
- 交叉咬合:左右で上下の噛み合わせが逆転している状態。
これらの歯並びの異常は、見た目だけでなく、咀嚼・発音・顎の成長・口呼吸・姿勢など全身に影響することが多く、早期の対応が非常に重要です。
歯並びが悪くなる原因とは?
- 遺伝的要因:歯や顎のサイズ、骨格的な傾向
- 口腔習癖:指しゃぶり・舌突出・口呼吸など
- 乳歯の早期喪失・むし歯:スペースロスによる歯列異常
- 咬み癖・頬杖・寝相:筋肉バランスのゆがみ
- 軟食中心の食生活:顎の成長不足や口周りの筋力低下
多くのケースで生活習慣や癖を改善することで歯列発育が整う可能性があるため、単に見た目の問題ではないことをご理解ください。
小児矯正の必要性と開始時期
小児矯正(第一期治療)は、顎の骨格や歯列の幅を整えることで、将来の矯正治療の負担を軽減・回避することが目的です。
● 開始に適した年齢は?
一般的には6歳〜8歳頃(6歳臼歯の萌出〜前歯の生え替わり時期)が目安です。
ただし、症状によっては5歳以前からの対応が望ましいケースもあります(例:受け口・重度の舌癖)。
● 治療を受けずにいた場合のリスク
- 将来の矯正が複雑かつ高額になる
- 顔貌の左右非対称や骨格的偏位
- 咀嚼障害や発音障害、口呼吸の固定化
- むし歯・歯周病リスクの増加
当院の歯並びチェックと矯正相談
当院では、歯並びに関して以下のような評価・サポートを行っています。
- 写真・模型・咬合診査による精密評価
- 必要に応じてセファロ分析(側貌レントゲン)を実施
- お子さまの成長予測を踏まえた治療方針のご提案
- 矯正治療の要否だけでなく生活習慣の改善指導も含めた対応
よくあるご質問
Q. 小学生の子どもですが、いつ歯並び相談に行けばいい?
A. 6歳前後の前歯の生え替わり時期が理想です。気になる点がある場合は、年齢に関係なく早めの相談をおすすめします。
Q. 指しゃぶりや口呼吸は歯並びに影響しますか?
A. はい、口腔習癖は歯並びや顎の成長に大きな影響があります。早期に気付き、行動変容を促すことが重要です。
Q. 見た目は問題なさそうだけど、受診の必要はある?
A. はい。顎の位置や噛み合わせのズレは見た目だけでは判断できません。定期的な歯科での確認が安心です。
気づきの早さが、お子さまの一生の歯並びを守ります
歯並びの問題は、早期に気づき、正しいステップを踏むことで予防・改善が可能です。
成長期の歯列と顎は、変化と発達の真っ只中にあり、今こそが最適な介入のチャンスです。
「まだ早いかも…」と思わず、気になる点があればお気軽にご相談ください。
当院では、痛みや不安を与えず、お子さまが安心して通える矯正相談を行っております。