なぜ生活習慣が歯に影響するのか?
歯科疾患の多くは生活習慣病の一種とされており、食生活や嗜好品、睡眠・ストレス・口腔ケアの習慣がむし歯や歯周病の発症・悪化に大きく関係しています。
どんなに質の高い治療を受けても、日々の習慣が変わらなければ再発リスクは高く、長期的な健康は維持できません。
当院では、治療と並行して生活習慣の見直し指導を大切にしています。
歯に影響する主な生活習慣
- 食事の回数・内容・時間帯
- 糖分摂取量とその頻度
- 喫煙・飲酒・炭酸飲料の習慣
- 口呼吸・歯ぎしり・ストレス
- 正しいブラッシング・セルフケア
食事とむし歯・歯周病の関係
糖分の摂取とむし歯リスク
食べ物に含まれる糖分がむし歯菌(ミュータンス菌)の栄養源となり、酸を産生して歯を脱灰(溶かす)します。
特に間食の頻度が高い人や、寝る前に甘い飲み物を摂る習慣がある人はリスクが高まります。
出典:WHO – Sugars and dental caries
● 酸蝕症(さんしょくしょう)にも注意
柑橘類・炭酸飲料・酢の多い食品を頻繁に摂取すると、酸によってエナメル質が直接溶かされる「酸蝕症」のリスクも高まります。
喫煙と歯周病の強い相関
喫煙者は非喫煙者に比べて、歯周病の発症・進行リスクが2〜7倍に上がることが報告されています(日本歯周病学会)。
ニコチンによって血管が収縮し、歯ぐきの酸素供給が減少。炎症の慢性化と免疫機能の低下を招きます。
項目 | 喫煙者 | 非喫煙者 |
---|---|---|
歯周ポケットの深さ | 深い(6mm以上) | 浅い(3mm前後) |
歯ぐきからの出血 | 少ない(血管収縮による) | 多い(炎症のサイン) |
治療後の改善度 | 乏しい | 良好 |
歯の健康に良い生活習慣とは
- 1日3回の規則正しい食事+間食は最小限
- 食後30分以内のブラッシング
- 糖分・酸性食品を摂りすぎない
- 禁煙・節酒
- 口呼吸から鼻呼吸への切替
- ストレスをためず、歯ぎしりや食いしばりのケア
当院のサポート内容
- 食生活・嗜好品のカウンセリング
- 喫煙歴の聴取と禁煙指導
- ブラッシング・補助器具の個別指導
- 生活習慣と疾患リスクの可視化(唾液検査等)
- 定期的なメンテナンスと動機づけ支援
よくあるご質問
Q. ダイエット中にガムやジュースをよく摂りますが、問題ありますか?
A. シュガーレスであっても酸性度の高いガムや飲料は酸蝕症のリスクがあります。
摂取頻度・タイミングに気をつけることが大切です。
摂取頻度・タイミングに気をつけることが大切です。
Q. 口呼吸ってそんなに悪いんですか?
A. 口呼吸は口腔内を乾燥させ、むし歯や歯周病、口臭のリスクを高めます。睡眠時の無意識な口呼吸はマウステープ等での対策が有効です。
Q. タバコをやめたら歯ぐきは元に戻りますか?
A. 禁煙後、歯ぐきの血流・免疫機能が回復し、治療の効果が出やすくなります。早ければ数ヶ月で改善が見られることもあります。
歯を守るのは、毎日の「習慣」です
歯を失う最大の要因は、「習慣の積み重ね」です。
正しい知識と行動で、削らず・抜かずに歯を守る人生を送ることができます。
当院では、治療だけでなく、生活習慣全体からお口の健康を支える予防歯科を実践しています。
どんな些細なことでもご相談ください。