知覚過敏とは？ ～ むし歯ではないのに「しみる」状態
冷たいものや甘いものを食べたとき、歯磨きのとき、風に当たったときなどにキーンと歯がしみる症状がある方は、知覚過敏の可能性があります。
正式には象牙質知覚過敏症と呼ばれ、歯の内側にある象牙質が露出することが主な原因です。
放置してしまうと、しみる症状の悪化だけでなく、ブラッシング不足や咀嚼回避によるむし歯・歯周病のリスクにもつながります。
主な原因 ～ なぜ知覚過敏になるのか？
- 過度なブラッシング圧による歯肉退縮・エナメル質損耗
- 歯ぎしり・食いしばりによる歯のマイクロクラック
- 加齢や歯周病による歯肉退縮
- ホワイトニング後の一時的な象牙質の刺激増加
- 酸蝕症（酸性飲料の過剰摂取など）による歯質軟化
原因を見極めてアプローチしなければ、治療してもしみる症状が再発してしまうこともあります。
当院で行う知覚過敏の治療法
1. 脱灰抑制・知覚遮断剤の塗布
フッ化物（フッ素）や硝酸カリウム、グルタルアルデヒドなどを用いた即効性のある外用薬処置です。
症状が軽度の場合、数回の処置でしみる症状が緩和されます。
2. レジン充填（露出部のコーティング）
エナメル質が欠損し、象牙質が露出している場合は、コンポジットレジンで薄く覆うことで刺激を遮断します。
審美性・機能性ともに良好です。
3. ショートコンタクトの調整
咬み合わせによる咬合性外傷やマイクロクラックが原因の場合、歯の接触圧を微調整し、負担を分散させます。
4. ナイトガードの作製（歯ぎしり・食いしばり）
歯ぎしり・ブラキシズムが知覚過敏の背景にある場合、専用のマウスピース（ナイトガード）で歯を守ります。
5. 歯周病治療・外科的処置（重度）
歯肉退縮が進んでいる場合は、歯周病治療や歯肉移植術（CTG）が適応になるケースもあります。
専門医と連携し、総合的な診断を行います。
生活習慣の改善も重要です
- やわらかい歯ブラシ＋力を入れすぎない磨き方の習得
- 酸性食品（酢・レモン・炭酸・スポーツドリンクなど）の摂取に注意
- ホワイトニング後は刺激性食品の摂取を一時的に控える
- 禁煙：歯肉の血行改善と再生力向上に寄与
費用について（保険診療・自由診療）
| 治療内容 | 適用 | 費用目安（3割負担の場合） |
|---|---|---|
| 知覚抑制剤塗布（フッ素・硝酸カリウム） | 保険診療 | 約300円〜 |
| レジンによる表面被覆 | 保険診療 | 約1,000円〜 |
| ナイトガード | 保険診療 | 約5,000円前後（上下型・材料による） |
| 歯肉移植術（CTG等） | 自由診療 | 要相談 |
よくあるご質問
Q. 知覚過敏とむし歯の違いは？
A. むし歯は細菌による組織の破壊、知覚過敏は刺激に対する神経の反応です。
当院では症状と検査により、正確に鑑別を行います。
当院では症状と検査により、正確に鑑別を行います。
Q. ホワイトニング後にしみるのは知覚過敏ですか？
A. はい、一時的に象牙細管が開きやすくなるため、知覚過敏症状が出ることがあります。
多くは1週間以内に自然軽快します。
多くは1週間以内に自然軽快します。
Q. 知覚過敏は自然に治りますか？
A. 軽度の場合は、象牙細管が自然閉鎖して改善することもありますが、根本原因が続く限り再発しやすいため、診察を推奨します。
しみる症状には専門的な診断と治療を
知覚過敏は一時的にやり過ごしてしまう方が多い症状ですが、放置すれば生活の質を下げ、歯の寿命にも関わります。
当院では、原因の特定 → 精密検査 → 個別対応まで一貫して行い、再発予防まで見据えた治療を行っています。