インプラント入れ歯とは? 

インプラント入れ歯(インプラントオーバーデンチャー)とは、2本以上のインプラントを顎の骨に埋入し、そのインプラントを固定源として入れ歯を支える治療法です。
従来の総入れ歯と異なり、ずれたり外れたりしにくく、安定した噛み心地を得ることが可能です。
「入れ歯が動いて食事が楽しめない」「会話中に外れるのが不安」など、従来の義歯にお悩みの方に適した治療法です。

インプラント入れ歯の仕組みと種類

アタッチメント方式でしっかり固定

インプラント入れ歯では、埋入されたインプラントに対して、ボール型、バー型、ロケーター型などのアタッチメント(連結装置)を用いて入れ歯を固定します。
日常的な着脱は可能でありながら、使用中の安定感が高いことが大きな特徴です。

患者様ごとの骨量・全身状態に合わせた設計

使用するインプラントの本数や配置は、顎の骨の状態や咬合力などを踏まえて個別に設計されます。
通常、下顎では2~4本のインプラントが一般的で、上顎ではさらに多くの支持が必要となるケースもあります。

インプラント入れ歯のメリット

1. 動かない・外れにくい入れ歯

インプラントによって義歯をしっかり固定するため、従来の総入れ歯に比べて圧倒的に安定します。
食事中や会話中にズレる心配が少なく、自信を持って日常生活を送ることができます。

2. 顎の骨が痩せにくい

通常の入れ歯は骨に直接力がかからないため、徐々に顎の骨が吸収され痩せてしまいます。
インプラント入れ歯ではインプラントが咬合圧を骨に伝えることで、骨の吸収を抑制することができます。

3. 自然な見た目・違和感の少なさ

顎堤への負担が軽減されるため、義歯床(ピンクの部分)を薄く設計でき、違和感の少ない仕上がりが可能です。
また、口元の自然なふくらみも再現でき、若々しい印象を取り戻すことができます。

従来の入れ歯との比較

比較項目 従来の総入れ歯 インプラント入れ歯
安定性 ズレやすく外れやすい しっかり固定され安定
咀嚼力 噛む力が低下しやすい 天然歯に近い噛み心地
骨吸収 進行しやすい 骨が痩せにくい
審美性 頬のたるみが目立つことも 自然で若々しい印象
費用 比較的安価 やや高額(自由診療)

インプラント入れ歯が適している方

  • 従来の入れ歯が合わず、痛みや違和感に悩んでいる方
  • 食事や会話中に入れ歯がズレてしまう方
  • 顎の骨が痩せてきたが、しっかり噛める義歯を希望する方
  • 総入れ歯で見た目や発音にストレスを感じている方

治療の流れ

  1. 初診・カウンセリング:お悩みやご希望を丁寧にお伺いします
  2. 精密検査:CT撮影・骨量や全身状態の確認
  3. 治療計画の立案:使用するインプラントの本数・義歯設計を提案
  4. インプラント埋入手術:必要な本数を骨に埋入
  5. 治癒期間:数ヶ月の治癒期間をおきます
  6. 義歯の装着:アタッチメント付き義歯を装着し、適合を確認
  7. メンテナンス:定期的なチェックと清掃指導を行います

リスク・副作用について

・インプラント手術に伴い、腫れ・出血・神経麻痺などが生じることがあります。
・インプラント周囲炎などによってインプラントの脱落のリスクがあります。
・清掃不良や不適切な使用により、義歯やアタッチメントの破損が起こることがあります。
・顎骨の状態によっては骨造成等の前処置が必要となる場合があります。

「噛める喜び」を取り戻したい方へ

インプラント入れ歯は、従来の総入れ歯に限界を感じている方にとって、大きな選択肢となる治療法です。
安定性や快適性、見た目の自然さを追求したい方にこそおすすめできる治療法であり、より充実した日常生活の実現につながります。
ご不明な点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。