MI(Minimal Intervention)治療とは?
MI治療とは、最小限の侵襲(Minimal Intervention)を原則とする、歯をできるだけ削らず、神経を残すことを重視する虫歯治療の概念です。
「削って詰める」から「削らないで予防する」「削っても最小限に」へ――。
現代の歯科医療が目指す“歯を守る”方向性として、世界的に広まっています。
MI治療の目的と基本原則
- 虫歯の進行を早期に見つけ、予防的に管理する
- 削る範囲を必要最小限にとどめ、健全な歯質を守る
- 神経(歯髄)を保存し、歯の寿命を延ばす
- 再発を防ぐための予防ケアを継続的に行う
従来の治療との違い(比較表)
項目 | 従来の虫歯治療 | MI治療 |
---|---|---|
削る範囲 | むし歯周囲を広めに削る | う蝕のみをピンポイントで除去 |
歯髄への対応 | 露出すれば抜髄(神経を取る) | MTA等を用いて歯髄保存を目指す |
治療器具 | 高速回転のタービンが中心 | マイクロスコープ+低速回転・う蝕検知液などを併用 |
予後 | 再治療・抜髄・クラウン化しやすい | 天然歯を長期にわたり維持しやすい |
当院のMI治療の特徴と技術
- マイクロスコープによる拡大視野下での精密除去
- う蝕検知液を用いて感染部のみを正確に除去
- MTAセメント・バイオセラミックによる歯髄保存
- ダイレクトボンディングによる審美・機能の両立
- MI治療に精通した保存治療専門医が対応
MI治療の症例と効果
症例:C2(中等度)虫歯への対応
- 【Before】:冷たいものにしみるが、痛みはなし。象牙質へのう蝕進行あり。
- 【処置】:う蝕検知液+マイクロスコープにて、感染部のみを精密除去
- 【修復】:コンポジットレジンにてMI充填(歯髄保存)
- 【After】:経過良好。神経温存・審美性・咬合機能も維持
MI治療が向いている方
- 歯をできるだけ削りたくない方
- 神経をできるだけ残したい方
- 過去の治療で削られすぎた経験がある方
- 精密な治療を受けたいと考えている方
費用について
MI治療は通常の保険治療と異なり、自由診療となることがあります。
当院では、精密な診査・診断のもとで、ご予算とご希望に応じて治療計画をご提案いたします。
治療内容 | 費用目安 |
---|---|
精密診査・マイクロスコープ診断 | 5,000円〜 |
MIコンポジット修復(小) | 20,000〜30,000円 |
MTA歯髄保存処置 | 30,000〜50,000円 |
よくあるご質問
Q. MI治療は保険適用されますか?
A. MIの考え方を取り入れた治療は保険内でも行えますが、精密な機器や材料を使用する場合は自由診療となります。
Q. 削らないで虫歯を治すことは可能ですか?
A. 初期のう蝕(C0・C1)であれば、フッ素塗布や生活指導で進行抑制が可能です。
ただし進行している場合は最小限の除去が必要です。
ただし進行している場合は最小限の除去が必要です。
Q. MI治療の効果は長持ちしますか?
A. 適切な管理・再石灰化の継続・生活習慣の改善を行えば、非常に長期の保存が期待できます。
歯の寿命を考えるならMIという選択を
虫歯の治療は、ただ削って詰めればよいものではありません。
当院では、“歯を守る”という本質的な視点から、できるだけ削らない・神経を残すMI治療に取り組んでいます。
「歯を残したい」「削りたくない」とお考えの方は、ぜひご相談ください。