口腔外科とは?
口腔外科(こうくうげか)は、歯や歯ぐきだけでなく、顎(あご)や舌、頬の内側、粘膜、唾液腺、さらには顎関節や顔面など、口の中とその周辺の病気やけがに対応する診療科です。
一般歯科と異なり、手術や全身管理を含む高度な治療が必要なケースに対応します。
親知らずの抜歯のような比較的身近な処置から、顎関節症、腫瘍、のう胞、外傷、口腔がんの検診など、扱う範囲は多岐にわたります。
どのような症状に対応するのか
- 親知らずの痛みや腫れ(埋伏歯・水平埋伏歯)
- 顎関節症(口が開かない、カクカク鳴る、顎が痛い)
- 口の中にしこりがある、できものが治らない
- 交通事故やスポーツによる口腔外傷
- 繰り返す口内炎や舌の痛み
- ガマ腫、唾石などの唾液腺疾患
- 口腔がんの検診や粘膜異常の精査
主な治療の種類
親知らずの抜歯(智歯抜歯)
埋伏している親知らず(特に水平埋伏歯)は、炎症・虫歯・歯並びへの悪影響など様々なリスクをもたらすことがあります。CTを用いた事前診断により、神経や血管の位置を把握し、外科的抜歯を安全に行います。
顎関節症の診断と治療
顎関節症は「開口障害」「顎の痛み」「関節音(カクカク鳴る)」が主な症状です。かみ合わせのズレ、ストレス、顎の使い過ぎなどが原因で、スプリント療法や理学療法を中心に保存的治療を行います。
口腔粘膜疾患
繰り返す口内炎、白板症、紅板症、舌痛症、味覚異常などの粘膜疾患にも対応。病理検査や口腔がんの可能性も含めて精密に診断します。
ガマ腫・唾石症
唾液腺に関わる疾患で、唾液の排出が妨げられることで腫れや痛みが出ることがあります。外科的摘出が必要となるケースもあります。
口腔がん検診
舌・歯ぐき・頬粘膜などにできるがんを「口腔がん」と呼びます。早期発見が予後を左右するため、リスク因子を持つ方には定期検診が推奨されます。
口腔外科と全身管理
高血圧、糖尿病、心疾患などの基礎疾患を持つ方は、治療時に出血リスクや全身状態の評価が必要です。医科との連携や術前検査により、安全な治療を実現しています。
CTやモニタリングによる精密診断
顎骨内病変や埋伏歯、腫瘍性病変などは、レントゲンだけでは判断が難しい場合もあります。当院では歯科用CTで立体的に確認し、安全性の高い治療計画を立てます。
口腔外科を受診すべきタイミング
- 親知らずがあるが、まだ抜いていない
- 顎が痛い、カクカク鳴る
- 頬や舌の内側にできものがある
- 口の中にしこり・腫れがある
- 交通事故・転倒などによる口元の外傷
参考文献・エビデンス
- 厚生労働省「口腔がん対策の推進に向けた報告書」
- 日本口腔外科学会「口腔外科疾患の診療ガイドライン」
- Oral Surgery, Oral Medicine, Oral Pathology(Elsevier)
- Journal of Oral and Maxillofacial Surgery(JOMS)
まとめ
口腔外科は、親知らずや顎関節症、口腔がんの検診まで、幅広い疾患に対応する重要な診療分野です。当院ではCTやモニタリングを活用し、安全かつ精密な治療を提供しています。「どこに相談すべきかわからない」症状がある場合も、まずはお気軽にご相談ください。