歯や口元をケガしたとき、すぐにすべきこと

転倒や衝突、スポーツなどによる歯の外傷(歯の欠け・脱臼・歯槽骨の骨折など)は、応急処置の初動が歯の保存を左右します。
お口まわりのけがでは、次の点をすぐに確認してください。

  • 歯が折れている・ぐらついている・抜けている
  • 歯ぐきや唇が大きく腫れている・出血している
  • 顎や顔面の強い痛み・あごのズレ

これらがあれば、すぐに歯科医院または口腔外科へ連絡してください。
抜けた歯も適切な保存方法で持参すれば、元に戻せる可能性があります。

主な外傷の種類と対処法

歯の破折(歯が欠けた・折れた)

エナメル質や象牙質の破折は、レジン修復や接着再建で対応可能です。
歯髄に達していればMTA覆髄や根管治療が必要です。

歯の脱臼(歯がグラグラしている・飛び出た)

歯が元の位置から動いている場合、正しい位置に戻す再植と固定を行います。
速やかに処置を行えば保存できる可能性が高まります

完全脱臼(歯が丸ごと抜け落ちた)

抜けた歯を牛乳または生理食塩水に入れて保存し、30分以内に来院できれば再植が可能なことがあります。
乾燥させると再生は困難になりますので注意してください。

歯槽骨の骨折

歯の動揺や痛みに加えて、骨の段差が感じられる場合は、CT検査を行い骨折の有無を確認します。
重度な場合は、口腔外科的な処置が必要です。

唇・舌・頬粘膜の裂傷や挫傷

歯の外傷と同時に起こることが多く、裂傷が深い場合は縫合処置が必要です。
出血が多いときは清潔なガーゼで10〜15分圧迫止血してください。

当院での対応体制と処置内容

  • 応急診療に迅速対応(急患受付・即日処置)
  • CT・マイクロスコープによる正確な診断
  • 歯の再植・固定処置(脱臼・完全脱臼時)
  • MTAセメントによる神経保護(破折時)
  • 口腔粘膜・顔面の外傷処置(必要時、縫合対応)
  • 連携病院への紹介体制(全身外傷がある場合)

再植・固定処置の成功率とタイムリミット

脱落した歯を再び歯槽骨に戻して固定する“再植”は、保存液に入れて30〜60分以内であれば、成功率が高まります。
以下の表は、脱落歯の乾燥時間と再植成功率の目安です。

乾燥時間 再植の成功率(目安)
15分以内 約90%
30分以内 約70〜80%
60分以上 約50%以下(条件による)
2時間以上 10〜20%以下

乾燥を防ぐことが再植成功の最大のカギです。ティッシュ等で包むのは避けましょう。

応急処置時の持ち物と行動ガイド

  • 歯の破片・抜けた歯 → 牛乳・生理食塩水・口腔内などで保存
  • 出血部位 → ガーゼで圧迫し清潔を保つ
  • 歯の一部を誤飲した疑い → 念のためX線確認も行います

よくあるご質問

Q. 抜けた歯をティッシュに包んでもいいですか?
A. いいえ。乾燥により歯根膜が死滅してしまうためNGです。
必ず牛乳・生理食塩水、または口腔内で保存してください。
Q. 応急処置だけ受けて、あとから改めて治療できますか?
A. はい。当院では当日応急+後日精密治療の2段階対応も可能です。
急患でのご相談もご遠慮なくどうぞ。
Q. 子どもの歯の外傷も診てもらえますか?
A. もちろんです。乳歯や生えたての永久歯は特に慎重な処置が必要です。
小児歯科・外傷対応に精通したスタッフが対応します。

歯の外傷は“時間との勝負”です

歯や口のケガは、「早期の適切な処置」が、その後の予後や保存の可能性に大きく影響します。
しげ歯科・矯正歯科 水巻院では、精密診断・外傷対応に力を入れた体制で、急なトラブルにも迅速に対応しています。

「ぶつけた」「折れた」「抜けた」などの際は、すぐにご連絡ください

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