歯と歯のすき間が気になる方へ
歯列矯正後や歯周病の進行、加齢などにより、歯と歯の間に三角形の黒いすき間ができてしまうことがあります。これがいわゆる「ブラックトライアングル」です。
ブラックトライアングルは見た目の問題だけでなく、食べ物が詰まりやすい・空気が漏れて発音しにくいといった機能的な問題を引き起こすこともあります。
ブラックトライアングルとは?
ブラックトライアングルとは、歯と歯の間にできた三角形の歯ぐきの欠損(歯間乳頭の喪失)によって生じる黒い空隙のことです。
一般的に、歯ぐきの位置が歯の接触点から5mm以上離れていると、歯間乳頭が完全に充たされず、ブラックトライアングルが発生するとされています(Tarnowらの研究)。
● 見た目だけでなく、口腔機能にも影響
- 審美性の低下(老けた印象、清潔感の低下)
- 食片圧入(食べ物が詰まりやすい)
- 空気漏れによる発音障害(特にサ行・タ行)
- プラークの溜まりやすさ、歯周病のリスク増加
ブラックトライアングルの原因
原因はさまざまですが、大きく以下の4つに分類できます。
原因 | 主な内容 |
---|---|
歯列矯正後の歯列変化 | 歯が整うことで接触点が狭くなり、歯間乳頭が収縮 |
加齢による歯ぐきの退縮 | 年齢とともに歯肉が下がり、隙間ができる |
歯周病の進行 | 炎症によって歯槽骨や歯肉が喪失し、空隙ができる |
歯の形態 | 歯が細長い・三角形状だと乳頭が入りづらい |
改善方法とその選択肢
当院では、患者様の症状とご希望に応じた改善方法を複数ご提案しています。
ダイレクトボンディング
歯にレジン(高品質樹脂)を直接盛り足して形態を変える方法です。歯を削らずに審美的改善が可能です。
歯ぐきの移植(歯肉移植術)
主に上顎口蓋からの移植片を使って、歯ぐきを補う手術です。歯周外科の専門技術が必要になります。
ヒアルロン酸注入
歯間部にヒアルロン酸を注入し、一時的に歯ぐきを膨らませて空隙を埋める治療。注射のみで非侵襲的ですが、効果は一時的(約3〜6ヶ月)です。
歯列矯正による歯の移動
接触点の位置や歯軸を調整することで歯ぐきが入りやすい状態を作る方法。時間はかかりますが根本改善が可能です。
各治療法の比較表
治療法 | 適応 | 持続性 | 侵襲性 | 費用(税込) |
---|---|---|---|---|
ダイレクトボンディング | 軽度〜中等度 | 2〜5年 | 低 | ¥33,000〜¥55,000/1歯 |
歯肉移植術 | 中等度〜重度 | 長期(5年以上) | 中〜高 | ¥88,000〜¥165,000/部位 |
ヒアルロン酸注入 | 軽度 | 3〜6ヶ月 | 極低 | ¥22,000〜¥44,000/1回 |
歯列矯正 | すべて(根本治療) | 恒久的 | 中 | ¥880,000〜(全体矯正) |
症例紹介(ビフォーアフター)
【症例1】前歯部にレジン充填による審美回復
治療前:矯正後に前歯の間にすき間が出現
治療後:ダイレクトボンディングで自然な形に修正。見た目の印象が大きく改善。
【症例2】歯周病による歯ぐきの後退に対して歯肉移植を実施
治療前:下顎前歯に大きな三角隙
治療後:歯肉移植で歯ぐきがふっくらと回復。患者様の満足度も非常に高い。
よくあるご質問(FAQ)
薬機法・医療広告ガイドラインに基づく表記
本ページで紹介しているヒアルロン酸注入は、国内では歯科領域における保険適応がなく、自由診療・未承認医薬品を使用するケースがあります。
また、効果には個人差があり、一時的な腫れ・内出血などの副作用が出る可能性もあります。事前に十分な説明と同意を得た上で施術いたします。
“見た目のすき間”から“心のすき間”を埋める治療
ブラックトライアングルの改善は、単なる見た目の問題ではなく、機能面・心理面・生活の質(QOL)にまで影響する重要なケアです。
当院では、低侵襲かつ審美性に優れた多角的アプローチを行い、患者様一人ひとりに最適なご提案をいたします。
まずはお気軽に、初回カウンセリングをご利用ください。